2010年3月アーカイブ

 

米国の形成外科医、ケネス・サリアーさんの言葉です。

ウガンダのペテロ少年は、病気治療のためサリアーさんの病院を訪れました。頭蓋骨の成長不良のため頭が変形し、眼球が飛び出す難病、クルーゾン症候群と診断されたのです。

ペテロ少年は、友達から、「とんがり頭のぎょろ目、この怪物」などと言われ、ひどいいじめを受けていました。

治療に先立ってサリアー医師は、ペテロに話しかけたのです。

「ペテロ、君を馬鹿にした同級生のことを、どう思っている?」

「そりゃ、憎いよ。一人ずつ、殴ってやりたいよ」

「そうか。でも君をいじめた同級生を憎んではいけない。彼らを許すと約束してほしいんだ。彼らを許してあげない限り、君は幸せになれない。人を憎む気持ちは、病気よりその人を不幸にするんだ」

手術は成功し、ペテロ少年はウガンダに戻りました。

そして、サリヤー医師との、「男と男の約束」どおり、同級生に会うと、「みんなと会いたかったよ」ととびきりの笑顔を見せたのてす。

憎しみを消すことは、困難なように思えます。しかし、憎しみが続く限り、心に平和が訪れないことだけは確かです。さらに、復讐があらたな憎しみを生み、その憎しみがまたあらたな復讐を生む連鎖は、歴史が証明するところです。

 

                                   (テレビ番組「ザ・ベストハウス123」より引用)

 

 

 

 

 

 

明治の女流作家、樋口一葉の言葉です。

「窮乏にあえいではいたが、暮らしは清らかで、曲がった道は歩いていない」、との自負を、一葉はこの言葉に託し日記に残しているのです。

生活は貧しいが心が豊かな人と、生活は豊かだが心が貧しい人と、果たしてどちらが幸せなのかと、考えこんでしまいました。

同時に、生活が豊かになればなるほど、心が貧しくなる傾向にあるのではないか、と思い始めたのです。

GDP(国内総生産)世界1位の米国民は、果たして幸せなのでしょうか。多くの戦争の当事者となり、国際テロにおびえるこの国に蔓延しているのは、高い失業率、薬物、そして銃を使った凶悪犯罪です。

世界の幸福度ランキングで、日本はなんと、178カ国中90位。GDPが日本の120分の1しかないガーナにも抜かれているのです。

日本経済が回復し、多くの企業と従業員そしてその家族が豊かになることは、とても大切だと思いますしかし、努力の結果得られた豊かさが、傲慢や格差につながり、結果として心の貧しさの原因になり得るとしたら、いまから対策を考えておく必要があるのではないでしょうか。

 

              (タイトルおよび括弧内の言葉は、朝日新聞、平成22年3月27日朝刊より引用)

 

 

 

 

粘土アニメーション作家、湯崎夫沙子さんの言葉であり、彼女のお父さんの言葉でもあります。

湯崎さんのあこがれの原点は、父がつくった写真集だという。ヨーロッパの町並みを写した白黒写真を彩色したもの。

その父の言葉が今でも心に重く残っている。

「浮き沈みは人生につきものだ。沈んだ時に浮かび上がれるか。それが人間の価値を決めるんだ」

そして、彼女にはもう一つ忘れ得ない思い出がある。

「ミッション系の学校に通ってて、マルゲリータ学園長の誕生日に「祈りの花束」を差し上げることになり、絵が得意だった私が生徒を代表して描いた。夜10時、出来上がったと思ったら、綴(つづ)りを間違えてた。父は「名前を間違えるほど失礼なことはない。描き直しなさい」。描き直している間、朝までそばにいてくれた。失敗したときこそ頑張るんだという姿勢を教えてくれたからこそ、私は今ここにいられるんだと思う」

 

                                  (朝日新聞、平成22年3月24日夕刊より引用)

 

 

 

 

 

オーストラリアの精神科医、アンソニー・バレルさんの言葉です。

バレルさんは、日本からやってきた拒食症の女性(香川県高松市の朱里子さん、現在36歳)に会うなり、そう声をかけたのです。

たいへん示唆に富んだバレルさんの言葉、もう少し長く紹介します。

「君は僕に会うまでいっぱい我慢してきたんだろ。その感情を遠慮なく、本気でぶつけてくれ。君のすべてを受け止められるくらい、僕は強いから」

「拒食症はお母さんのせいではない。お父さんのせいでもない。もちろん、君のせいでもない。だから犯人探しをするのは、やめなさい。犯人探しをするのをやめて、あなたの将来をみんなで考えましょう」

23㎏までやせ細っていた朱里子さんは、バレル医師の治療で、次第に体重が増え、健康を取り戻すことができたのです。

やがて、彼女は高松市議選に立候補。拒食症だったことも隠さず、地道な選挙活動の結果、トップ当選を果たしました。そして、いまでは、生きるよろこびをかみしめながら過ごす毎日なのです。

 

                  (テレビ番組、ザ!世界仰天ニュース、平成22年2月24日放映より引用)

 

 

 

 

 

 

 

5年前のJR福知山線脱線事故で重傷を負った山下亮輔さん(23才)の言葉です。

山下さんは18時間も事故車両に閉じ込められた結果、重度のクラッシュ症候群(長時間圧迫されることにより筋肉細胞が壊死を起こし死に至ることもまれではない)に見舞われました。

意識が戻った10日後から、山下さんの新たな闘いが始まったのです。

足の炎症のため高熱と頭痛、さらには眠れない日々が続きました。

両足に障害が残るなか、「18歳の生存者」を出版、少しでも人の役に立ちたいと、いまでも講演活動を続けています。

山下さんの言葉、もう少し長く紹介します。

「一日一日が必死だった。その結果、今がある。この不幸な事故で失ったものも多いが、それ以上に多くのことがあり、成長できた」

 

                                (Yahoo!ニュース、平成22年3月22日号より引用)

 

 

 

米国の著名なストレス・コンサルタント、リチャード・カールソンさんの言葉です。

コミュニケーションでもっとも大切なのは、人の話を傾聴することだと言われます。しかし、傾聴は、簡単なようで実はたいへん難しいことだと指摘する人も少なくありません。

この事情について、カールソンさんは、著書「小さいことにくよくよするな2」(サンマーク出版)のなかで、次のように語っています。

「効果があるとわかっているのに、いい聞き手になる人がほとんどいないのはなぜだろう?」

「まず、第一に、多くの男性は話を聞くだけではなんの解決にもならないと感じるためだ。ただ聞いているだけだと自分がなにもしていないと感じてしまう」

「このハードルを乗り越えるには、愛する人たちが、「話を聞いてもらうこと」にどれほど価値を見いだしているか理解すること。相手が話をじっくり聞いてくれると、その人に愛され、理解されていると感じて心が休まるが、話を聞いてもらえないと心が沈み、なにか大切なものが失われたように感じて不満が残る」

「もう一つの理由は、自分がひどい聞き手だという自覚がないことだ!」

 

 

 

 

 

 精神科医、斎藤茂太さんの言葉です。

「行動をおこすと、その行動の背後にある動機が強化される」という心理学の原則が知られています。

たとえば、ご近所の皆さまが気持ちのいい朝を迎えられるように、毎日早起きして道路を清掃しているとします。この方の行動の動機、つまり「皆さまに奉仕したい」との動機が強化され、ますます奉仕活動をしたくなるのです。

では、行動する動機が劣等感だとしましょう。すると、行動するほど劣等感が強化されてしまうのです。その劣等感を克服するために、ますます努力する結果になります。悪循環です。

どのようにすれば、この悪循環を断ち切ることができるのでしょうか。

斎藤さんの言葉、もう少し長く紹介します。

「劣等感をバネにして、負けたくやしさを糧(かて)にして努力する。苦手だったものに挑戦し、克服して、逆にそれが特技になる人もいる。こうなれば、もう「劣等」とはいえない」

「しかし、私はここでひと言いっておきたい。無理して乗り越えなくてもいい、と」

「自分の「弱さ」や「劣っている部分」にこだわりが少なくなる。これが本当に「乗り越えた」ということである」

 

               (斎藤茂太著「なぜか「感じのいい人」ちょっとしたルール」三笠書房刊より引用)

 

 

 

心理学者加藤諦三さんの著書「自信」の言葉、第二弾です。

幼少期に甘えの欲求が満たされないと、甘えた成人になってしまう。甘えとは、責任をとることなく要求することなので、成人の世界では許されない。許されることのない甘えを隠したまま生活していれば、心理的な破綻に陥る可能性がある。

これは、多くの心理学者の見解です。

では、なぜ、「甘えのある者は、自信をもつことはできない」のでしょうか。

加藤さんの言葉、もう少し長く紹介します。

「自分の愛している人を幸せにしたいという望みであれ、その望みを遂げるには戦いが必要な時がある。その時その戦いを避けて自分の望みを遂げようとする者は、たとえその望みを遂げても自信を得ることはない」

「甘えのある者は、自信をもつことはできない。甘えとは相手との一体感を求めるものだから」

「自己主張とは、自分の望みを相手の前にさらけだすことである。その結果として、その相手を失うかもしれない」

「そんな危険をおかしながら、自己を主張する時、その人は自信を得る。そのような自己主張をするとき、自分の中にある相手との一体感の希求は切り捨てられる」

 

 

 

 

 

 

俳優、財津一郎(ざいつ・いちろう)さんの言葉です。

私の周囲にも、重荷を背負い、決して逃げることなく困難な人生を乗り越えた方がいます。

このような経験のある方とない方では、まず、言葉の重みがちがいます。

ふだんはただ明るくしているような人でも、いざというときの迫力がちがうのです。

志願してでも困難に挑戦しろ、とは昔の賢人の言葉です。

財津さんの言葉、もう少し長く紹介します。

「(いじめられて、ふさぎ込んでいるとき、先生から言われました)おまえは今、つらいだろう。でも今は勝負するときじゃなかとぞ。いじめられているヤツこそ、乗り切った時に強うなる」

「「どんな目に遭ってもネアカで生きろ」と言われました。人を笑わせてにぎやかにしろ、という意味ではなく、「つらい時に踏ん張れる勇気を持つように」と教えていただいたのです」

「踏まれた麦ほど、グーンと持ち上がって立派な実をつける、との言葉は少年の心にズキンときました。つらいことを乗り越えた人間ほど成長するということを、子供たちに知ってほしい。ネアカとは「神が人間に与えた最高の武器」と考えています」

 

                               (日本経済新聞、平成22年3月12日夕刊より引用)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイリスオーヤマ社長、大山健太郎さんの言葉です。

この言葉にであって、昔、参加したことがある「オプティミスト・クラブ」の教義を思いだしました。

ちなみにオプティミストの意味は楽観主義者。オプティミスト・クラブは、ロータリー・クラブなどと同様に、社会貢献を行っている団体です。

教義のひとつに、次のような言葉がありました。

すべての物事のいい面を見なさい。そうすれば、あなたが楽観的に見ていることは実現する。

20年以上も前、米国での話です。

さて、大山さんの言葉、もう少し長く紹介します。

「よく考えると、バブルは10年に1回おこっている。オイルショックもあったし、不動産バブル、ITバブル、そして今回の金融バブル。これはある意味で新陳代謝なんだろう」

「過去にとらわれると被害者的になる」

「ですけど、次にくる新しい明日を見た場合にはチャンスにつながっていく。すべて物事は楽観的に、ただし経営は悲観的にやらなきゃいけない」

 

                       (テレビ東京、平成22年2月15日放映、カンブリア宮殿より引用)

 

 

 

 

 

 

 

書店に心理学者、加藤諦三さんの著書「自信」(三笠書房刊)が平積みされていました。

20年以上も前に読んだことのある本です。書架から引っ張りだして再読してみました。

随所に「いい言葉」がありますが、まずひとつだけご紹介します。タイトルの言葉です。

「自分を尊敬する」と聞くと、奇妙に感じるかもしれません。

しかし、自分を尊敬できない人は他人を尊敬できない、自分を好きになれない人は他人を好きになれないと言われます。いちばん大切な自分にしてあげられないことを、他人にしてあげられるはずがないからです。

加藤さんの言葉、もう少し長く紹介します。

「ここで大切なことをわれわれは知らなければならない。自分の挫折を心底認めることが、自分を尊敬する方法なのである。心のどこかで自分を軽蔑している人は、小さい頃の自分の理想像の達成に失敗し、その失敗を未だに認めることができないでいる人なのである」

「心の底のどこかで自分を軽蔑している人は、実際の自分では生きていけないとでも思っているのだろうか。しかしそれは逆である。ナルシストはやがて行きづまり、憂鬱な毎日を送るようになる」

「実際の自分をそのまま認めれば、生のエネルギーは湧いてくる」

 

 

 

 

 

 

 

 

日本経済新聞、編集委員、武智幸徳さんの言葉です。

フィギュアスケートの浅田真央選手が、五輪会場から昨夜帰国しました。

浅田選手の競技の結果について、私の周囲にもさまざまな意見が渦巻いています。

それはそれとして、私が違和感を覚えるのは、マスコミの報道が「おめでとう」一色にかたよっていることです。「無念の銀」、「金をとれなくて残念!」といった報道が極端に少ないのは、なぜなのか。疑問を抱いたのは私だけではないように思います。

五輪は平和の祭典であると同時に、向上心の祭典でもあるはずです。

そんなことを思いつつ出合った武智さんの言葉に、大いなる記者魂を感じたのです。もう少し長く紹介します。

「自己満足のラインは「入賞」→「日本記録」→「自己ベスト」などと下げ止まる様子はない。このままいくと、最終的には「参加することに意義がある」という古典的掛け声にすがるしかなくなるのかもしれない。その危うさを教えてくれたのは女子フィギュアスケートの浅田真央(中京大)だった。この銀メダリストに、頂点を目指した人間にしか流せない涙があることを、改めて知らされた」

「私が浅田の涙に感動したのは、彼女の心の内に「なぜ、もっと」という悔いがあったと思うからだ。自分が追い求める完ぺきと頂点をシンクロさせようと鍛練に鍛練を重ねながら、ついにそれを一致させることができなかった悲しみ。オリンピックにふさわしい涙だった」

 

                           (日本経済新聞、平成22年3月1日夕刊より引用)

 

 

 

 

 

長崎県佐世保市、永田亜希子さんの言葉です。

この言葉にであって、昔読んだ書籍の一節を思い出しました。

「あと三日、健康に生きられたら私は何をするのだろう。早起きして、お洗濯して、新聞読んで、ちょっとだけテレビ見て、それから家の中を、きれいにきれいにお掃除したい。こんな平凡な日々が素晴らしかったことに、早く気づけばよかった。でも私には、もうこない」

うろ覚えの部分もありますが、著者が病床で書いた文章です。

平凡なものの大切さ、非凡なものの大切さ。このバランスは、なぜ崩れがちなのでしょうか。

ほんとうに大切なのは、たゆみない向上心とともに、ささやかな平穏を幸せに感じる心のように思えてくるのです。

永田さんの言葉、もう少し長く紹介します。

「父は早朝の散歩中に交通事故でこの世を去った。とても寒い冬の朝だった。埋めようのない喪失感の中、あのささやかな父との一日がいかに幸せに満ちた贈り物だったのかと思い至る。あの日、父にお守りを買ってあげようと思いながら、結局、私は忘れてしまった。そういう物を律儀に身につけてくれる父だった」

                    (朝日新聞、平成22年2月28日朝刊「幸せだった父との一日」より引用)

 

 

 

 

執筆者プロフィール

田村仁の著書

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