「過ぎたことを悔いても、得るものはなにもない」

 

小説家、吉村昭(よしむら・あきら)さんが,蘭学者、高野長英の言葉として紹介しています。

長英は、禁書を著述したとして、幕府から永牢(終身刑)を言い渡されたのです。その後、「国防を説き、外国から日本を救うために、自分はこの世に生をうけたのだ」と、命を賭して、脱獄を果たします。数カ月後、幕府の方針は一変し、「長くとも半年牢におれば、釈放されたものを」と、悔いるのです。

しかし、「過ぎたことを悔いても、得るものはなにもない。運命とうけとめて、自分の道をすすめなければならぬ」と気づき、「国を救うために」オランダ語の兵学書を翻訳し、また、自分の意見をつづった書籍を著わしたのです。

 

                                      (吉村昭著「長命逃亡」新潮文庫より引用)

 

 

 

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